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Jun Fukamachi 深町 純 |
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The Sea Of Dirac(ディラックの海) /Jun Fukamachi(深町 純) |
Released:
1977 |
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LP:KITTY RECORDS MKF-1020 Recorded:1977年7〜9月 CD:KITTY RECORDS KTCR 1187(1992/10/25) |
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Producer :深町 純 Jun Fukamachi | ||||
1(A-1):It's You(JunFukamachi) 7:32 2(A-2):Neutrino(JunFukamachi) 9:11 3(A-3):Apres Un Reve (After A Dream)(JunFukamachi) 2:51 4(B-1):The Minority (JunFukamachi) 7:41 |
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深町 純 Jun Fukamachi :作曲・編曲(全曲) :Keyboards Steve Gadd :Drums ( A-2, B-2 ) Howard King :Drums ( A-1, B-1 ) Anthony Jackson :Bass ( A-2, B-2 ) Tony Levin :Bass ( A-1, B-1 ) Eric Gale :Guitar ( A-1, B-1 ) Barry Finnerty :Guitar (A-2, B-2 ) Steve Khan :Guitar (A-1, B-1 ) Crusher Bennett :Percussion Ernie Watts :Tenor Sax Horn Section :Randy Brecker, Michael Brecker, Barry Rogers |
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1(A-1):It's You(深町 純) 7:32 | ||||
深町 純 :Key Howard King :Drums Tony Levin :Bass Eric Gale :Guitar Steve Khan :Guitar Crusher Bennett :Percussions Ernie Watts :T.Sax Horn Section :Randy Brecker, Michael Brecker, Barry Rogers |
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2(A-2):Neutrino(深町 純) 9:11 | ||||
深町 純 :Key Steve Gadd :Drums Anthony Jackson :Bass Barry Finnerty :Guitar Crusher Bennett :Percussions |
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3(A-3):Apres Un Reve (After A Dream) 2:51 | ||||
深町 純 :Piano, Key | ||||
4(B-1):The Minority (深町 純) 7:41 | ||||
深町 純 :Key Howard King :Drums Tony Levin :Bass Eric Gale :Guitar Steve Khan :Guitar Crusher Bennett :Percussions Horn Section :Randy Brecker, Michael Brecker, Barry Rogers |
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5(B-2):The Sea Of Dirac(深町 純) 10:57 | ||||
深町 純 :Key Steve Gadd :Drums Anthony Jackson :Bass Barry Finnerty :Guitar Crusher Bennett :Percussions Horn Section :Randy Brecker, Michael Brecker, Barry Rogers |
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Review | ||||
キーボードの深町 純(作曲・編曲・プロデュースも兼務)以外は全てアメリカのミュージシャンによる始めてのアルバム。 前年の1976年より、日米混成メンバーによるアルバム制作やライブを行なって来たという下地はあったものの、比較的短い期間でメンバーが全員本場アメリカの実力派ミュージシャン(主にジャズ系ミュージシャン達)になってしまっています。 当時の深町 純の勢いが感じ取れ、日本のクロスオーバーとは別の路線を開拓しているようにも感じますが、こういう試みは、当時の日本国内のジャズ系ミュージシャン達も刺激していたのではないかと想像します。
同じ年に国内で製作された「Second Phase」(1977)とはずいぶん印象が違い、また、日米混成メンバーによる前作「Spyral Steps」(1976)に比べると若々しいはじけた印象が薄れ、全体的にジャズのテイストが増している事もあり、これまでで一番落ち着いた大人の雰囲気が漂うアルバムです。 ちなみに、アナログLPのジャケットはつや消しのモノクロ印刷でとてもクールでした。 クールでダークな印象の作風は、このジャケットデザインが見事に表現しています。 このアルバムも曲によって演奏するメンバーが違っています。 LP盤のA面・B面の各1曲目と、A面・B面の各2曲目とでそれぞれメンバーが同じになっています。 A/B面の1曲目はバラード調・明るい曲調、A/B面の2曲目はアップテンポでシリアスな感じの曲、A面の最後にはピアノ・シンセの多重録音による重く沈んだ感じの曲、と全体の曲の構成がよく考えられています。 A面3曲目は、ピアノ・シンセによる多重録音の、美しくも少し感傷的で美しいバラードですが、クラシックの影響を感じます。 A面1曲目は美しいメロディーのバラードで、Ernie Watts(アーニー・ワッツ、T.Sax)の感動的なソロが聴けます。 Eric Gale のGuitarもリラックスした感じで曲に良くあっています。 さびの部分でホーンセクションが入って盛り上がる感じも良い。 深町純のキーボードは控えめに演奏されているものの、彼の編曲のセンスの良さに関心します。 個人的にはこのアルバムの中では1番好きな曲で、何となく夏の夕暮れをイメージします。 そういえばドラムの音にもリバーブがかかっていますね。 Brecker 兄弟が単なるホーンセクションとしての参加に留まっているのがちょっと寂しい。 A・B面の各2曲目はDsとBassに、Steve Gadd と Anthony Jackson が起用されていますが、アップテンポで複雑な曲であるため、彼らの凄いテクニックが堪能できます。 どうやって演奏しているのか分からないくらいのものもあります。 特にB面2曲目のドラム・ベースが凄まじい。 深町純も、もの凄い速さでピアノを弾いており緊張感溢れる曲です。 演奏者だけでなく、聴く者にもそれなりのエネルギーを要求しているようです。 また、比較的小編成メンバーの演奏で、全体にファンクの要素はあるものの、複雑なメロディーのテーマの繰り返し、少なめのソロ、シンセでストリングス風の音が使われていたり、ガーシュインの曲のモチーフらしきものが出て来たりと、クラシックの楽曲の構成を感じさせる印象があります。 Steve Gadd の凄いドラミングにほれぼれしますが、深町 純の複雑なメロディーや編曲が全体を強く支配してしまっている感じがあり、10分を超える長い曲でもある事から、この曲を聴き終わると「これはなんて難しくて凄い曲だ...」という印象が残ります。 同時期の Bob James のリーダー作等にも同じ感想を持ちますが、作曲・アレンジを行なう人がリーダーアルバムを作ると、アレンジが全体を支配している印象の曲が出来上がる事があるのかもしれません。 このアルバム、収録曲全ての演奏テクニックのレベルが非常に高く、ファンクで、なにより良い曲が多く、聴き応えのある1枚。 前の年の「Spyral Steps」や、この後の名盤「On The Move」等とはまた違った印象の残る彼の代表作です。 CDによる再発売を強く希望。 ------------------------------------ Steve Gadd + Richard Tee も名コンビですが、Steve Gadd と Anthony Jackson(Bass)の2人もこの頃の名コンビと言って良いでしょう。 「Jun Fukamachi & The New York All Stars Live」(1978年)では Steve Gadd, Anthony Jackson, Richard Tee の3人が揃っています。 2004(H16)年08月26日掲載 |
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